愛の手

(総司さんっ!!?)

背中にまわされた腕に自由を奪われながら、あたしは総司さんに抱きしめられるカタチで寝ていたらしい。

普段見慣れない近さに、新発見!!って感じにあたしは顔をのぞきこんだ。



睫毛長い……

肩とか腕とかゴツゴツしてて、あたしとは全く違う体つき。


備えつけのバスローブが少しはだけて目の前にある胸。

はだけている原因は、あたしがバスローブを握ってるからだ。

寒くないようにベッドまで移動してくれたのか、ちゃんとふかふかでやわらかい。

布団も肩までかけてくれて……




なんでそんなに優しくするの……?



お願い……

あたしに優しくしないで。




優しくされたら、決心がにぶっちゃう……






お願いだから――…

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