世界と僕は戦っている きっと世界が勝つだろう
「長村!」
誰もいない打ちっぱなしのコンクリートの屋上に凛とした声が響いた。
後ろから聞こえてきた声に俺はノロノロと振り向く。
そこには鉄製の重い扉を押しどけすり抜けてきた森川由香が立っていた。
たぶん、ここまでの階段を急いで駆け上がって来たんだろう。
息を弾ませ軽く肩で息をしている。
顔も少し赤らんでいた。
「…何?」
「よかった、ここにいたんだ」
森川は俺の問いかけに答えにならない安堵の言葉で返すと大きく息を吐き、俺がいる屋上の空間へと滑り込んだ。
そしてゆっくりと俺の隣にやってくる。
「今日からここの立ち入り禁止、解除って聞いたから」
だから居ると思って。
そう続けた森川の顔は「間に合った」という色が滲み出ていた。
誰もいない打ちっぱなしのコンクリートの屋上に凛とした声が響いた。
後ろから聞こえてきた声に俺はノロノロと振り向く。
そこには鉄製の重い扉を押しどけすり抜けてきた森川由香が立っていた。
たぶん、ここまでの階段を急いで駆け上がって来たんだろう。
息を弾ませ軽く肩で息をしている。
顔も少し赤らんでいた。
「…何?」
「よかった、ここにいたんだ」
森川は俺の問いかけに答えにならない安堵の言葉で返すと大きく息を吐き、俺がいる屋上の空間へと滑り込んだ。
そしてゆっくりと俺の隣にやってくる。
「今日からここの立ち入り禁止、解除って聞いたから」
だから居ると思って。
そう続けた森川の顔は「間に合った」という色が滲み出ていた。