【完結】嘘つき少年と女の子
ぱくっと食べればサクッと音がして。
おいしい味が口に広がる。
やっばっ超おいしい!
「美味ぁっ!」
「そんなにかぁ?」
わけがわからないと言った具合に首をかしげる琉架。
ふんっ
甘いもの嫌いなヤツにはこの美味さがわかんないだろうよ
ぱくぱく遠慮もなく食べていくあたしと
そのあたしをジーーーッと見てるだけの琉架。
なんか、それは、それで。
食べづらい。
「……どうしたの?」
「……」
問いかけても無視。
「どーしたの?」
さっきよりも大きな声……にも、無視。
「ど、う、し、た、の?」
一文字一文字琉架の耳元で言ってやると、
鬱陶しそうに顔をしかめた。