【完結】嘘つき少年と女の子
「あんたはもう少し女の子とちゃんとつき合うとかすればさぁ…」
家に帰ってから、何故かあたしの部屋まできて寛いでいる琉架にグチグチと文句をいった。
「なに?説教?」
軽く鼻で笑いながら、あたしの机の上を眺めている。
そして片隅にちょこんとおいてある写真立てを見つけた。
ヤバい!!
あの写真立てには…!
「ふーん、桃のタイプはこういう男なんだ?」
「ちょ、勝手に見ないでよ!」
あたしの思い人というべき、神谷君の写真が飾ってあったのに!
不覚だった…。
こんなバカ男に見られるとは…。
「野球で有名なヤツでしょ?神谷渚生だっけ?」
「…そーよ!何かに夢中な人ってかっこいいじゃん!」
「ふーん」
興味なさそーな返事!
これが学校モードだったら、“俺はどうなの?”くらい返ってくるんだろうけど。