【完結】嘘つき少年と女の子
「でもそう言う人ってカッコいいじゃん!」
琉架に爪のあかを煎じて飲ませたいくらい。
「そ?さんきゅ…」
そう篠沢君が言うのと重ねるように、
「うん、俺も好きだよ」
琉架がその女の子に囁く声が聞こえた。
その言葉に顔を赤くして笑ってる女の子をよそに、ウチのクラスでは困惑が走る。
そりゃあ、そうよ。
今まで「俺も」とは言っても、「俺も好き」までは絶対言わなかった琉架。
その琉架が、俺も好きって女の子に囁いた。
ってことは…
その女の子=本命!?
皆同時にその答えに思い立ち、マジマジとその二人を見る。
お似合い、かも…。
だけど…。
琉架に本命ができたかもしれない。
それはすごくいいことで。
幼なじみとしてもそれを祝福しなきゃいけないのに。
あんまり、嬉しい気持ちになれないのはなんでだろう。