初恋は甘く、虚しく、切なく


彼は家も近く、弟と近所の1学年下の男の子を含めた4人で遊ぶ事が多かった。


弟が家に連れてきたりしてくれてたから私も仲良くなれてた。

この頃の私達は微妙だった。


私はもちろん大好き!
でも雅弘は…?



考えてもわかんないよ…
いつも友達として、幼馴染みとして接してきたから。


弟が雅弘と遊びだした頃の私は、なんで家にいるんだろう?ってくらいにしか思ってなかった。

まだ自分の気持ちにすら気づいてなかったんだ…。


何回家に来たかな?


会うと無視はできないから声をかけてた。


それを家に遊びに来る度に繰り返してただけ。

気がつくと、雅弘からも声をかけてくれたりした。

声をかけられたら嬉しかった。

その日の学校の話とか、自然と会話が増えて、仲も良くって、今まであった二人の距離がなくなった気がした。


この時だったんだ…


私が雅弘を好きだって思ったのは。



私が単純だっただけかもしれない。

でも、好きになるのって皆単純な理由じゃない?


男子と仲良かったわけじゃない私には初めての男友達。

それだけでも嬉しかった。


その友達が家に弟と遊びに来てて、遊ぶ予定じゃない私を誘ってくれたりして…。


勘違いしちゃうよ…



もしかして?なんて期待もしちゃう。



そんな想いを胸に秘めてたある日、いつものように後輩と雅弘が遊びに来て、弟が私に言った。

「かくれんぼ一緒にする?」


…なんでかくれんぼなのかわからなかったけど、一緒に遊べるという事に嬉しくなった。


「やってもいいけど?」


素直じゃない私。
わざと偉そうに返事をして遊んだ。
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