片思いの種
恥ずかしくて心臓が止まりそうだった。


目が覚めたら全てが終わると想っていた。


廊下を走って、海翔の教室へ直行した。


あの痛みは、海翔が消してくれたんだと想った。


「こんにちは!宮坂です!か・・・中松君のコトでお話があります!」


ああ!言っちゃった・・・・。


「中松?ああ!どうかしたの?」


先生に聞かれてビクッとする。


名前を聞くだけでもっと好きになる。


「保健室で寝てるみたいなので、給食のとき戻ってくるそうです!」


「はい。宮坂ありがとう。」


あたしはまた走って自分の教室にむかう。


全力過ぎる全力疾走をしたから、


ついたころは息切れで、


胸を押さえて机に座った。


「つ・・・疲れたあああ。」


でも、幸せな時間でした。










「葵。告白しないの?」


お昼のときだった。


あたしは牛乳をふきだしそうになる。


「な・・・・なんで!?」


「もうさあ、ダメ元でさ!」


ダメ元・・・・。


そんなコト言ったって、


あたしは海翔と上手くいきたいんだよ。


告白なんてできない。


自信がないもん。


「無理。無理。無理!!!!!」


あたしは首を思いっきり左右に振った。


そこで、凜は何か思いついたようにニヤついて、


あたしに提案してきた。


「今、ここであたしを海翔だと思って告白して?」


凜が海翔・・・?


「うん。あたしするよ。」


海翔には伝わらないけど、


あたしの愛は海翔以外にも伝わってほしい。


「ずっと、好き・・・・。」


告白はたったの一言になってしまった。


想像したら何もいえなくて・・・。


「とっても素敵な告白だった。伝わってきたよ。」


「ありがとうね。」


いつか、


あたしの気持ちを伝えられる日が来ますように・・・。





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