片思いの種
心から・・・
想いを告げることにした。


誰にも言わないで、1人で告げる。


1人で告白する。


そのためにあたしは手紙を書いた。


―海翔君へ―
帰り、アサヤマ公園で待っています。
―宮坂葵―


はじめて送った手紙は、


最高に緊張した。


来てくれるか不安だった。


ドキドキしすぎて胸が破裂しそうだった。


いきなりこんなこと・・・・










しばらく待つと、誰かが来た。


1人だ。


辺りをきょろきょろしながら歩いている。


背が高くてカッコイイあの人。


海翔。


ドキドキがピークに達して、


あたしは顔が真っ赤になって、


40度は超えるくらいの熱になった。


「ここここここここここここここここここ!」


「んにちは」をいえないあたし。


もう、何も考えられなくなった。


「何?お前?」


予想以上にそっけない海翔。


面倒くさそうにエナメルをかついでいた。


「え・・・っと・・・・!」


そんな顔をよそに全然話にならないあたし。


初めての会話が告白って・・・?


あたし馬鹿かも。


3分くらいたち、あたしは少し落ち着いた。


「あの・・・宮坂葵です。」


これだけでも沢山の勇気だった。


「知ってるし。で、何?」


声が低かった。


いつも遠くから見ていたときの笑顔は一切ない。


「えっと・・・スキな人いますか?」
< 21 / 31 >

この作品をシェア

pagetop