片思いの種
合わないって実感してしまう。


「ああああったし、りりりりりかか!」


英語って言ったほうがよかったかな?


その方が気が合うって思われたカナ?


あとから後悔する。


でも、嘘なんかつきたくないし。


それにしても、はじめから噛みっぱなしのあたしって・・・。


「宮坂さ、もういいから。噛みすぎ。リラックスしろよな。」


あ・・・・。


迷惑をかけてしまった。


あたしが噛みすぎるからだ。


嫌われてしまう。


嫌われちゃう・・・っ!


そう思うと下を向いて前が見れなくなってしまった。


「なにお前?もういい?じゃ。」


海翔は歩いて行ってしまった。


あたしが変なコトばっかするからだ。


意味分からないことばっかして、飽きさせちゃったんだ。


このままじゃ恋人どころか、


友達としてもダメになってしまう。


また涙が出てきた。


どんだけ涙もろいの?


涙腺弱いの?


でもね、海翔のコトを思うだけで・・・


苦しいんだもん。切ないんだもん。









「あれ?葵?」


南だった。


あれからなんとなく気まずいまますごしてたから、


久しぶりに顔を合わせた。


少し照れくさい。


「南!久しぶり・・・。」


一生懸命明るく振舞うが、


南はあたしのコトきっと分かってしまうんだと思う。


すぐに複雑な表情になったから。


「なんかあった?」


ほらね。


「好きな人と上手くいかない。」


なんでもスラスラと言葉が出てくる。


「そっかあ。でも上手くいかないのが恋ジャン?俺もだし。」


「え?南好きな人できたんだ!だれだれ?」


「葵。」


急に冷たい風が吹いたような気がした。


正直、南の気持ちは嬉しい。
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