片思いの種
今までの出来事、


思い出すともっと涙が出てきた。


辛いコト、切ないコト。


いっぱいあったけれど、


「ちょっとの幸せ」が消してくれた。


遠くから見るだけから近くなって・・・。


会話もした。


苗字で呼ばれた。


・・・でも、そんなのなんでもない。


所詮、辛い片思いでしかなかったんだ。


あたしの片思い、さようなら。


こうして、あたしは花を埋めた。





「宮坂!待てって!」


あたしは海翔に引き止められ、後ろを振り向いてしまった。」


誓ったコトを、海翔が簡単に壊した。


どんな誓いも、海翔には叶わない。


「俺の話し聞いてくれる?」


あたしは大きくうなずいた。


「俺、そっけなくて意地悪なところとか最低だと思う。でも、素直に気持ちを伝えると、宮坂の気持ちは嬉しかった。・・・マジはずい。でも、嬉しかったから!ありがとう。でも、俺には好きなやつがいて、今付き合ってる。俺が恋した相手を、ずっと守りたいって思う。それは宮坂じゃない・・・。だから、俺は宮坂の気持ちには一生こたえられない。・・・宮坂は、ちゃんと自分を守ってくれるやつ見つけて、幸せになって。きっと、宮坂のコト大好きになってくれるやつ、絶対いるから。」


「うん・・・・うん・・・。」


あたしはさらに涙を流し、


何度も大きくうなずいた。


最後の海翔の言葉。


あたしはずっと、ずっと。


その言葉を信じて前に進もうと思った。


さようなら、長かった片思い。


さようなら、大好きだった海翔。


どうか、幸せになってください。


あたしの片思いの種と花は心に埋められ、


あとを刻む。


いつか、これがバネになって・・・


大空へ羽ばたけるように。


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