[短編]「I can't」
「ちょっと待って!」



樹音は慌てて彰人の後を追った。


早足で歩く彰人について行くだけで少し息が上がる。



15分ほど歩いて、一軒の家の前で立ち止まった。


「ねぇ…、どこ行くの?」


息を整えて、やっとここで聞けた。


「ここ。僕のウチ」


「えぇ?!彰人の?!」


「来て」


「えぇ?!」
何?!なんなの?!」


わけがわからない樹音をよそに、彰人は玄関に入った。


「待ってよ!」

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