[短編]「I can't」
しばらく沈黙が続いて…



「すみません。僕、やっぱりあなたのこと知らないみたいです…」



そう言うと、彰人は背中を向けて歩き出してしまった。



「あっ、ちょっと!」



慌てて声をかけた樹音だったが、彰人の態度にショックを受けたばかりで、


彼を止めることはできなかった。

橋を渡って歩いて行くその後ろ姿を、寂しく見つめているだけだった――…

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