スピカ
優太は何かに怯える様に震えて、
「優羽・・・。」
今にも泣きだしそうな目で私を見つめ、首に手を回してきた。
しばらくすると、優太の携帯の着メロが鳴りその手は離れた。
あれ?
今の何?
キスしようとした?
それに、私が大石さんに苛立ったのって・・・
゛やきもち"?
「優羽。」
「はっはい!?」
急に呼ばれたので声が裏返ってしまった。
「今から撮影だから、これでも読んでのんびりしといて。」
そう言って渡されたのは音楽雑誌。
「音楽侍・・・シークレットバンドスピカが本格始動・・・?」