スピカ
その繋いだ手が離れるときは、罪が消えたとき。
私と優太、優太の罪。
償いきれるはずのない罪。
「どうも~spicaです。」
登場と共に客席からは歓声が上がった。
私はゆっくりとステージを見上げる。
――――――――――――
「これは絶対に秘密だ。俺が帰ってきたことも今日起きたこともすべて秘密だからな。」
父の隣にいたのは優太と瓜二つの少年。
「いいか、優羽。優太は・・・・」
―――――――――――――
まばゆい光がステージを照らし、爆音と共に夢の世界が広がる。
優太の力は本物だ。
今の優太が、
―――――――――――――
「優太は、こいつに殺された。今日からこいつが優太だ。」
今の優太が、偽者だったとしても・・・・・。
涙が溢れた。
私は優太に見えないように下を向いた。