Flower -光を探して-
母には、未央と花火大会に行くとまた嘘をついてしまった。

良平という彼氏が出来たことを、なかなか言えずにいた。

彼氏が出来た時に、普通は親に話すものなのかさえ分からなかった。

母もまさか私に彼氏がいるなんて思っていないようで、今日もすぐに信じてくれた。



「少しくらい遅くても、今日はお父さんに上手く言ってあげるから。」

浴衣を着せた後、玄関で私を見送る母は笑顔だった。

その笑顔を見た瞬間、胸が痛んだが・・・。



未央と出会うまで、休みの日でもいつも家で閉じこもっていた私。

そんな私が友達と外で遊びに行くようになったことは、母にとっても嬉しいことだったのだろう。

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