Flower -光を探して-
花火が目の前で上がる広場には、もうすでに座るところが無いくらいの人混みだった。

「ちょっと遠くても、人が少ないところでゆっくり花火みたいな・・・。」

良平も未央と一緒で、人混みは苦手らしい。

それなのに、一緒に花火を見に来てくれた。

私はそれだけで、心が満たされて嬉しかった。




広場からかなり離れた河川敷の階段のふもとに、ベンチを見つけた。

ベンチは空いていて、周りにもあまり人がいない。


「良平くん、あそこは?」

両手が塞がっているので、目でベンチを示す。

「おっ、ちょうどいいな。あそこにしよう!」
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