Flower -光を探して-
「俺、人混みって苦手で花火なんて間近で見たことなかったけど・・・。近くで見ると迫力あるし、すっごいキレイだな!!」

良平は、少し興奮しているようだった。

「うん、私も地元なのに、ここの花火大会は小学生のとき以来で・・・。今日は良平くんと見に来れて、本当に良かった。」




小学校2年生の頃、1度だけこの花火大会を家族で見に来たことがある。

その時もビールを何杯も飲んだ父は、大声を出していた。

周りの人が何事かと振り向き、子供ながらに恥ずかしかったのを今でも覚えている。


それ以来、一緒に行くのが嫌で私は来たことが無かった。

なぜか毎年、夏休みのちょうど1週間前の土曜日に行われるこの花火大会。

『もうすぐ夏休みかー』と思いながら、いつも家で音だけを聞いていた。
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