Flower -光を探して-
「もう・・・。」


私は照れ隠しのために、良平の腕を軽く叩いた。

それに反応するかのように、良平の腕は私の肩に伸びてきて簡単に引き寄せられてしまった。

驚いて、良平のほうに向き直る。



暗闇の中でも、良平の顔が近づいてくる気配が分かった。

そのまま良平の唇が、私の唇にそっと触れた。

とても優しいキス。

初めてのキスだったけど、私は安心できた。


唇が離れる瞬間、最後の花火が大空で輝いた。

1番長い何発もの花火が終わりを迎えるまで、私たちは寄り添って見ていた。
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