Flower -光を探して-
「だから、俺は自分の人生くらい自分で決めたいんだよ。勉強についていけなくなったのも本当だけど、大学行ってても自分の将来が見えてこないから辞めたんだよ。」



兄は殴られても、もう引き下がることは無かった。

反対に自分から父の方へ1歩踏み出し、更に殴ってこようとする父の腕をつかむ。



こんな兄を見たのは初めてだった。

私も母も、男同士の力のぶつかり合いの中に入っていける気配など全くなくて。

ただ部屋の外から、見ているだけしか出来なかった。


「何が自分の人生じゃ。今までさんざん勝手なことばかりしてきたくせに。そんなに俺の言うとおりにしたくないんやったら、今すぐここを出て行け!!
もう2度と帰ってくるな!!」
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