Flower -光を探して-
「おい、放っとけ!!」


父の大きな怒鳴り声に、母と私はビクッとなる。

その隙に兄は母の手を振りほどいて、玄関を飛び出していった。



「お兄ちゃん!!!」

気が付くと、私はすぐに後を追って外へ出ていた。

特に仲が良くもなかった私たち。

男と女だから、大きくなるにつれそんなに話もしなくなっていった。

けれど兄が家に帰ってきている時は、顔を合わせれば普通に会話はあった。

こんなことで、お兄ちゃんが出て行ってしまうなんてイヤだ!


たった2人しかいない兄妹なのに・・・。
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