Flower -光を探して-
お兄ちゃん・・・。


まだ兄も一緒に住んでいた頃や、家族で出かけた時のことを思い出すと、涙が溢れてきた。




 プップー



後ろで車のクラクションが鳴った。

振り向いてみると、母が運転をしていた。


何度も『放っとけ!』と怒鳴る父に逆らって、飛び出して来たらしい。

私は素早く助手席に乗り込む。

チラッと母を横目で見ると、目には涙が溜まっていた。

グッと下唇を噛んで、必死に押さえているようだった。
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