Flower -光を探して-
「駅に行ってみるわね?」

「うん・・・。」

お互い、必要最低限の言葉しか出てこない。


しばらく続いていた沈黙を先に破ったのは、母だった。

「和樹はね・・・、瞳と違って昔からヤンチャだった・・・。」

ゆっくりと、言葉をかみ締めている。


「高校の時はタバコがバレて停学になったり、夜中に遊びに行ったり・・・。いつもその度に、お父さんに子育てがなってないってひどく怒られて。本当、大変なことばっかりだったけど、お母さんがおなかを痛めて産んだ大切な子供だから・・・。」



我慢していた涙が、母の頬を伝った。

母は、私以上に辛いだろう。
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