Flower -光を探して-
駅に着いて、母と手分けして辺りを探した。

隣のコンビニや、近くの本屋など。

が、やはり兄の姿はもうどこにも無かった。


駅員に特徴を説明して聞いてみるが、最近は金髪の人が多いので分かるわけも無く・・・。


「もう時間も遅いし、帰ろうか。」

1時間ほど探した後、母が諦めたように呟いた。



車の中は、空気がとても重たかった。

母はため息ばかりしていた。

「瞳、一緒に探してくれてありがとうね。」


家に帰ると、父はもう先に寝ていた。


次の日から、父はもちろん誰も兄も話題をすることはなかった。

家族が、本当にバラバラになった瞬間だった。
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