マイ ストーカー君
クラス中がざわめく。

主に私以外の女子達が。





スラッとした身長にモデル並の足の長さ。
サラサラの黒髪の下には綺麗な顔がついている。


今でいうイケメンだ。


「初めまして。黒崎要と言います。」

ニコッと笑うと女の子達は一同に頬を赤くした。




そう、このイケメン転校生こそが私を振り回す事になる人物である。

この次点では、まだ気がつかないが、後に身を持って知る事になる。




訂正。

今すぐ知る事になった。






黒崎君が私の顔を異常な程見つめてくる。



最初は照れくさかったが、あまりにも見続けてくるので内心焦ってきた。


よく蛇に睨まれた蛙というコトワザがあるが、まさにその状態にふさわしい。




「黒崎の席は─」

「先生、僕あの席がいいです。」

蛇が指さしてきたところは私の隣の席だった。


「僕あの席に座りたいです。」


「いや、黒崎あそこはだな、今日休んでいるけど平田っていうやつが座っている席なんだよ。だからすまんが前から三番目の席に座ってく─」

途中で言葉が途切れたかと思うと、その数秒後ぐらいに「まぁ、いいか」と言い出した。


いいわけないだろ。
平田君どうするんだよ。
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