マイ ストーカー君
そして放課後─
ついに放課後が来てしまった。
黒崎君の邪魔しちゃいけないよねとか内田さんピ───(自主規制)持ってる?などと言いながら皆足早に教室を出て行く。
そんな気遣いいらないから。しかもピ───(自主規制)てなんだよ。意味わからんし。
とかなんとか思ってるうちに、いつの間にか二人っきりになっていた。
静まりかえった教室。
窓が空いてるのかカーテンがなびいている。
そのせいでより一層静けさを際立てさせた。
「麻衣…」
黒崎君の綺麗な目が私をじっと見つめている。
ここは普通の女の子だったら顔を赤くさせ見つめあうところだろう。
しかし、残念ながら普通の女の子ではない私は恐怖感を覚え、たじろいだ。
視線が─
視線が糸のように絡まって身動きがとれない。
まるでくもの巣に引っ掛かった虫のようだ。
黒崎君が私の方に近寄って来る。
私は必死にもがいたがビクともしない。
誰か…誰かオラに力を!!
オラに力を下さい!!!
私の(心の)声は空しくも届かなかった。