マイ ストーカー君
黒崎君がとうとう私の前に来た。
ヤバい。ヤバすぎる。
汗が私の頬を伝う。
黒崎君の綺麗すぎる顔が私の顔の前にきた。
ち…近い。近すぎる。
違う意味で心臓がドキドキした。
私は視線を反らす事ができなかった。
なぜなら、一瞬でも反らせば食べられてしまうような気がしたからだ。
…一体どのくらいの時間が過ぎたのだろう。
空がだんだんと暗くなってきた。
…っていうか、黒崎お前は何がしたいんだ。
「──麻衣は…
麻衣は俺の事覚えてないのか。」
黒崎君がやっと口を開いた。
「こんなに顔を近くで見ても思い出さないとは。
よっぽど俺の印象が薄かったんだな。」
目線を私から離し、目を細くさせた。
「まあいいか。そのうち思い出すだろ。」
そう言うと、黒崎君は表情を一変して私に学校案内しろと急かしてきた。
なんて勝手なやつなんだ。
そしてさっきまでのあの雰囲気は何処に行った。
私は仕方なく案内をしてやる事にした。