俺の彼女はプリンセス!?
第一話
「可愛いよな〜。彩夏ちゃん」
「サラサラの黒髪はもはや神の領域だよな」
教室の窓から頬杖をついて、
外の中庭を歩く一人の女子を眺める男子二人。
時は昼休み。
教室はとても賑やかな声に包まれている。
「彩夏ちゃん……」
一人の男子のその目に写るのは、
学校一可愛いと噂される、二年A組の秋元彩夏。
黒髪のロングヘアーにぱっちりとした可愛い目元。
小さな顔から作り出されるその笑顔は、アイドル級の力を持つ。
「って恭介は彩夏ちゃんと幼なじみなんだろ!?マジありえねー」
主人公、恭介の隣に立つ友人が、ため息混じりでボソリと呟いた。
「幼なじみって言ったって、親同士が仲良いだけで遊んでたりしたのは、ずっと昔の事だよ」
恭介はガックリ肩を落として言った。
――亀井恭介、十七歳。
性格はおっとりしていてとにかく優しい。
頼まれたら断れないタイプで、根っからの優柔不断。
彼女歴、十七年。
いわゆる草食系男子なのだ。