俺の彼女はプリンセス!?
周りのクラスメートから男女構わず好かれているが、
大概、女子の印象はいつもいい人止まり。
傷つく事も傷つける事も嫌な性格は、常に自分より他人が一番なのだ。
「亀ちゃん、これ職員室に運んでくれないかなっ?」
その時、一人の女子が恭介に甘ったるい声で近寄ってきた。
「俺が……?」
「私ちょっと用があってさ、亀ちゃんにしか頼めないのっ!」
両手に抱えたプリントを持つニコニコ笑う女子に、
恭介は眼鏡を指先で直しながら若干の戸惑いを見せる。
「おめーが行けよ!ブス」
「アンタは黙っててよ、私は亀ちゃんに頼んでるんだからさ!」
恭介を板挟みにして、友人と女子が火花を散らす。
そのやり取りに見兼ねた恭介は、わかったよと女子に渋々返事を返した。
「じゃ、宜しくねっ!亀ちゃん大好きっ」
女子は満面の笑みで荷物を恭介に手渡し、
サッサと足早にその場を去って行った。
「恭介〜、お前パシリにされてるじゃんか」
友人が恭介のみっともない姿を見て、
頭を抱えながら深いため息をついていた。