エースナンバー
次の日、
俺は教室に着くなり、鞄を地面に落とした。
なんだ…あれ
「あ、麻生くん、おはよう」
またあのヘラヘラした笑顔で、美空が手を振る。
頭の中で、脳が揺れる…
あの野郎…
俺が昨日…どんな気持ちでいたのか…
一晩中眠らずに、どう話しかけようか考えていたのか…
なんだよ、それ!
「ちょっと来い!」
「…え!」
俺は美空の腕を引っ張って教室を出た。
□
「麻生くん、痛い!」
眉を歪めて、俺を見上げる。
俺は、人通りの少ない渡り廊下に来たところで足を止めた。
「…どうゆうことだよ」
「なにが?」
なにがって…
「昨日のこと…」
俺は視線を外して呟いた。
まさか…夢だったとかいうオチないよな…