エースナンバー
「夏-!」
「ん?…どうしたの、優斗」
夏休み終わり寸前…
部活後の私を
キャプテン、上杉 優斗が追いかけて来た。
「おま…歩くのはえーよ…」
「あぁ、ごめん。で?」
大して悪びれもなく答える。
「椎葉の謹慎解けたってさ」
「本当に?」
「おー」
椎葉とは、私のキャッチャー…
つまりバッテリーを組んでる相手のこと。
1月前に、街で絡まれた不良を一発殴って謹慎になった。
あいつがいれば、夏の大会もいいとこまで行けたかもしれないのに…
「よかったじゃん…
これで心おきなく投げられるな」
ニヤリと笑って優斗が言う。
私も答えるように瞳を細めた。
「…そうだね。
俺を欲求不満にさせたツケを存分に払ってもらわなきゃ…」
とりあえず…1週間は消えない痣を作ってやる…
「ほ…ほどほどにしとけよ?」