エースナンバー
「そんなの…仕方ないじゃん」
――…?
やがて私のチームの一人…
バッテリーを組んでいたキャッチャーが小さく呟いた
「俺たちだって、好きで女とチーム組んでるわけじゃないよ」
――…え
「あいつ…俺たちより上手いし…監督のお気に入りだし…
俺たちがどんなに嫌でも、俺たちにはどうしようもねぇよ」
――…何…言ってるの?
「確かに…練習だって本気であいつには投げれないしな」
――…!
チームのみんなは視線を下に落とす。
信じていたチームのみんなは、不満そうに小言を並べ始めた。
「夏は…上手いけど…一緒に野球したくない」
「女とはやりにくいよ」
「お前らより、俺たちの方が不満なんだ」
――…。
目の前が真っ暗になった…
今まで、みんな一つだって信じていた。
信頼しあってるって思ってた…
でも…違ったんだね
そう思ってたのは私だけだったんだ…
私は、ゆっくりみんなの元へと近づく
最初に気付いたキャプテンは顔を青く染めた。
「……夏」
チームの視線を一気に浴びる。
みんな驚きを隠しきれないようだ…