エースナンバー
「みんな…ごめんね」
泣きそうになるのを押さえて、必死に声を出した。
私のせいで…みんな本気になれなかったんだね…
私がみんなを抑制してた…
そう思うと…
情けない。
自分のことしか考えてなくて、勝手に押し付けてた。
「私…チーム辞めるよ」
精一杯の笑顔で言った。
私一人がいるだけで
みんなの迷惑になる。
楽しめない野球なんて…
野球じゃない。
「本当に…ごめんね」
私は背を向けて、その場を離れた。