エースナンバー



「大阪のT高校から来た、麻生玲音君です。
分からないことがあるかもしれないけど、みんな教えてあげてね」

担任教師であろう女が、なれなれしくも俺の肩に手を置く。


俺は、それを落とすように肩をずらした。



「…えっと…
まぁ、仲良くね」

"じゃあ空いてる席に座って"
と、担任は苦笑ぎみに呟いた。


俺は無言で席につく。



幸運にも窓際の席。

外を見ると、青い空と広いグランドが見えた。


不用にもトンボが、グランドに転がっている。


――前の学校だったら死刑だぜ…


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