エースナンバー
「はぁ?!
お前何言って…」
1ヶ月前…
俺が転入してすぐのこと…
すっとんきょうな声を出しているのは野球部キャプテン上杉だった。
「だから…俺はこんなやつの球なんか受けねぇ、受けたくねぇ…受ける筋合いねぇ…」
反対に、壁に寄りかかり上杉を睨みつけているのがキャッチャーの椎葉。
そしてそいつの指す指の先には俺がいた。
「けどよー椎葉…」
「悪いけど…お前の言うことでもそれは嫌だ。
どうしてもっつうんなら俺は野球部を辞める」
――…俺も嫌われたもんだな…
ふぅ、とこれ見よがしにため息をつく。
原因は他でもないアレだろ?
俺はキャッチャーを"的"扱いした日のことを思い出した。