戦国桜話


サワ・・・と、一瞬風が通り抜けた


木々が揺れて俺達にキラキラした日の光を浴びせる


『雅の仲間に鳥を操る蜜華と言う女が居た』













・・・・・・・・・・・・













沈黙が俺達を包む













鶇夢は複雑そうな表情で俺を見上げた


『蜜華は・・・・・・私と同じ・・・窪鳥珂の生き残りなの・・・・・・』


風の音に揉み消されてしまいそうな声に俺は耳を傾ける


鶇夢は胸元の鈴を握り締めると俺達を真っ直ぐ見据えて話し出した


『蜜華と私は親友だった・・・・・・それはもう・・・村でも評判の大親友・・・・・・』






親友“だった”






・・・何故、過去形なんだ・・・?


俺は眉間にシワを寄せたまま、黙って鶇夢の話を聞いた


『でも・・・・・・ある日、山菜を取ってくるように私のお父さんに言われて・・・蜜華と村を出て取りに行ったの・・・・・・そこからなの・・・あの事件があったのは・・・・・・』












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