戦国桜話


弱々しい私の声に蜜華は下唇を噛み締めて悔しそうに口を開いた


『炎があがった瞬間・・・・・・炎から逃げようとすれば逃げれたはずなんだ・・・・・・なのに・・・何処にも・・・みんなは居ない・・・・・・』





蜜華・・・・・・何が言いたいの?





『みんなが居ないと言うことは・・・・・・あらかじめ・・・村人を殺してから火をつけた・・・と言うことになる・・・・・・』


“そうじゃないと・・・つじつまが合わない”


蜜華の言葉に私は絶句した






じゃあお母さんは・・・・・・?


お父さんは・・・・・・?






『村人は全員・・・・・・殺された』


嘘・・・・・・・・・


私は絶望感で膝まづいた


大粒な涙が私の頬を伝う





もう会えない・・・・・・


お母さんにも・・・お父さんにも・・・・・・優しい村の人達にも・・・・・・・・・


“二度と”会えない





『いやぁぁ゙!!!』


私は声を上げて、声が枯れるまで泣きつづけた


悲しみが溢れて止まらない・・・・・・


私は・・・・・・両親をいっぺんに亡くした・・・・・・


優しかった村の人達も


私達だけが・・・助かったんだ・・・・・・













< 115 / 177 >

この作品をシェア

pagetop