戦国桜話


それを知ったのは村が滅ぼされて1ヶ月後・・・・・・


通りすがりの侍達が話していたのを聞いたから分かった事だった







『あ・・・そういえば、窪鳥珂の村・・・滅ぼされたらしいぞ?』


『それは本当か?』


『あぁ・・・鳥を操れるなんて気味が悪いし、いつ妖怪紛[まが]いな事をされるか分からないからって・・・・・・』






私達は今まで妖怪が村を滅ぼしたと思っていたのに


真実は全く違っていて


私達の村人は・・・鳥を操れるから・・・気味が悪いから・・・と言う理由で殺された




その真実が・・・私達の心を蝕んだ




『・・・あたいは・・・人間を許さない・・・』


蜜華は人間を酷く憎んだ


自分が人間であると言うことにも怒り、歎いた


『鶇夢・・・人間を滅ぼそう』


蜜華は私の前に手を出した


だけど私はどうしても人間を憎めなかった


両親を・・・村のみんなを殺されて・・・憎んで同然なのに・・・・・・


『鶇夢・・・?』


『蜜華・・・・・・ごめん・・・私は人間を憎めない・・・』


私は申し訳なさそうに呟いた


















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