戦国桜話
―葵side―
私達の間に沈黙が走る
聞こえるのは風の音と風になびいた湖の水の音だけ・・・・・・
『話って・・・・・・何?』
私は、何も言わず下を向いている蜜華に問い掛けた
私の言葉に蜜華が下げていた顔を上げ、真っ直ぐに私の瞳を見つめる
紅い瞳・・・・・・ルビーの様に綺麗な瞳が私の心を見透かすように捕らえる
私は静かに蜜華の言葉に耳を澄ました
『葵・・・・・・あのガキがどうなったか知りたいか?』
蜜華が答えが見えている質問を投げ掛ける
『当たり前じゃない』
『・・・そうか・・・・・・・・・・・・あのガキは・・・・・・』
いつもなら心地好く感じる風も・・・・・・今は・・・逆に私の脈拍を上げる材料となる
なかなか次の言葉を言わない蜜華に段々とイライラが募ってきた
『・・・小春ちゃんが・・・何??』
鋭く睨みを効かせて言い放った私の言葉に蜜華は短い髪をくしゃっと掴んで軽くため息をついてから口を開いた
『あのガキは・・・・・・・・・・・・・・・もう助からない』