戦国桜話


―佐助side―


『八神・・・・・・そろそろ離して』


鶇夢が八神の腕の中でボソッと呟いた


『・・・何でです?』


八神は鶇夢を見下ろして不思議そうに首を傾げる


そんな八神に鶇夢はふるふると震え、怒りをあらわにする


俺は八神を見たまま、深いため息をついた






八神・・・お前は馬鹿か・・・・・・・・・






『何でって・・・・・・・・・・・・・・・・・・あんたがお尻を触ってるからでしょー!!!』






バッチーンッ!!






静かな森の中に乾いた音が響き渡った


『・・・・・・またかよ・・・』


俺は軽く頭を押さえて呆れたように口を開いた


手の平型に赤くなった頬を押さえてうずくまる八神を鶇夢が腕を組んで仁王立ちをしたまま見下ろす


この上下関係が壊れることはねぇな・・・・・・


俺は二人を見て改めてそう思った







さてと・・・そろそろ葵を探しに行くか・・・・・・


まだ口論を続ける二人を横目に俺はゆっくりと立ち上がった


その瞬間――――――






リーン・・・・・・・・・






聞き覚えのある鈴の音が僅かに俺の耳に届いた
















< 123 / 177 >

この作品をシェア

pagetop