戦国桜話


・・・・・・・・・・・・?


『鶇夢・・・お前・・・・・・今、鈴・・・鳴らしたか?』


『・・・え?鳴らしてないけど・・・鈴の音・・・聞こえた?』


首を傾げる鶇夢の手には確かに鈴は握られていない・・・・・・


聞こえた・・・確かに聞こえた


じゃあ・・・さっきの音は・・・・・・?


『佐助・・・・・・ポポが鈴の音が聞こえた瞬間からずっと向こうを向いています・・・行ってみましょう』


『悪いが・・・八神・・・赤く腫れた頬でそんな事言われても説得力ねぇよ』


しゃがんで地面に「の」の字を書いていじけている八神は一先[ひとま]ず放置して、俺は右手を自分の顎に持って行き、考えるポーズを取る


微かに感じる妖気・・・・・・・・・


ポポとは別の鳥の臭い・・・・・・


それに、さっきの鈴の音といい・・・ポポの様子といい・・・・・・


もしかして・・・・・・・・・










『蜜華が居る可能性が高いな・・・・・・』









近くに・・・・・・蜜華が居る気がする


『だけど佐助・・・向こうにはさっき・・・葵ちゃんが・・・・・・』





・・・・・・・・・っ!?





鶇夢の言葉に俺は目を見開いた


確かにさっき葵は向こうの方に・・・・・・


『佐助!どこに・・・・・・!?』


走り出そうとした俺の右腕を鶇夢が咄嗟に掴んだ


『葵を探す!何かあったかもしれねぇ!』


俺は鶇夢の腕を払って、再び駆け出した


その後ろで鶇夢は鈴を持ち、ポポの背中に乗る


『佐助!私も行くよ!八神!乗って!!』


『分かりました!』


いつの間にか復活している八神に俺はあえて、何も言わず前を向いて走る・・・


打たれ強い奴代表か!?
こいつは・・・・・・


リーン・・・・・・・・・


鈴の音と共に遥か彼方上空へ飛び立つポポ


俺は急いで葵が向かった方向を目指す













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