戦国桜話


この野郎〜゙・・・・・・ッ!


『ど、どうしたのじゃ!?そんな怖い顔をして・・・』


俺の手の平の中でオドオドとした様子を見せる“それ”を俺は軽く握り潰す


『く、苦しい!佐助!落ち着くのじゃ・・・!』


『胡蝶・・・てめぇ・・・!この急いでる時に手間を掛けさせるんじゃねぇ!それと俺の頭に乗るなっつったろ!!』


『・・・早まるな佐助・・・我、死んでしまう・・・!』


俺の手の平の中で今にも口から泡を吹き出しそうに顔を歪める胡蝶を俺は「このままじゃ殺しかねないな」と思い、解放する


解放した胡蝶を上から落とすと、見事に奴は尻餅をついた


『いったぁ〜!ひどいのじゃ・・・我、何もしてないのに・・・・・・』


ぶつぶつと文句を言いながら、自身が身につけてる巫女の服についた砂を手で払い落とす






急いでるっつってんのに・・・・・・・・・!






『あぁ゙!!もういいから乗れ!!!』


『何を・・・!・・・ぅわ!!』


今だ、服を叩[はた]いているマイペースな妖怪にイライラした俺は、奴を素早く掴んで俺の肩に乗せた


ザワザワと揺れる草木が俺を急かす


『お!乗せてくれるのか!今日は機嫌がいいんじゃな』


『黙れ!!急いでるんだからしっかり掴まっとけよ!!』











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