戦国桜話
俺は胡蝶の返事を待たず、走り出す
風を切り、音も切り・・・真っ直ぐに前へ駆ける
『・・・佐助・・・妖怪はお前じゃ無いのか?この足の速さ・・・やっぱり異常・・・』
『誰が妖怪だ!!んな事言う奴は弾き落とすぞ?』
胡蝶の言葉を遮って被せた言葉に奴は「ゔッ・・・」と言葉を詰まらせた
ったく・・・妖怪が妖怪呼ばわりすんじゃねぇよ
俺の足の速さは確かに他の人間には追いつけないほど速く、かけっこでは誰にも負けた事はない
昔はこの足が不思議で考え込んだ事もあったが、親譲りだと言う理由で納得した
今でもそう思う・・・・・・
『それより胡蝶・・・お前・・・さっきまで寝てたのに、よく俺の頭に乗れたな?』
俺達の会話も聞いてないでスヤスヤ気持ち良さそうに寝ていた胡蝶が・・・・・・
俺の言葉を聞いて、胡蝶は「あぁ・・・」と髪をいじりながら少し恥ずかしそうに呟いた
こいつ・・・っ・・・・・・まさか・・・・・・!
『寝たふり・・・とか、言うんじゃないだろうな?』