戦国桜話
回りを見渡せば湖の向こう側に人の姿が見える・・・・・・
さっきの声は八神か・・・・・・
俺と胡蝶は湖の周りに沿って葵達の元に向かった
微量の妖気は感じるが、肝心な蜜華は居ない・・・・・・
と言う事は・・・・・・逃げたか・・・・・・
俺はチッと軽く舌打ちをする
『蜜華は居ないみたいだな?』
葵の近くに寄り、声を掛けるが反応が無い・・・・・・
・・・・・・・・・?
どうしたんだ・・・?
葵の返事の代わりに風がサァ・・・と吹き抜けた
どこと無く・・・空気が重い・・・・・・
『助からないって・・・・・・どう言う事・・・・・・・・・?』
葵はゆっくりと、震える唇で・・・・・・ボソッと消えそうな声で呟いた
“助からない”??
『おい、どう言う事だ?』
俺の問い掛けに、葵は答える事も無く、魂が抜けた様に一点を見つめている
八神も鶇夢も・・・眉間にシワを寄せたまま何も言わない
一体、何があったって言うんだ・・・・・・葵に・・・・・・