戦国桜話
『葵・・・大丈夫か?』
胡蝶が俺の肩を降りて葵の服を下からチョイッと引っ張ってから言う
それに気づいてか、葵は「あ・・・」っと短く声を漏らし、胡蝶に微笑み掛けた
『大丈夫だよ?何でも無いの』
無理に笑ってる感が溢れる笑顔を俺達に向けて、葵は空に向かって大きく背伸びをした
お前は・・・何でそんなに無理をするんだよ・・・
自分の感情を押し殺して・・・・・・
見てるこっちまで苦しくなる
俺は葵の腕を掴んで歩き出す
『さ、佐助?』
後ろで腕を引っ張られながら驚いた様な声を出す葵に構わず、俺は歩き続ける
『戻るぞ!村に・・・そろそろ暗くなる』
『あ・・・そうだね』
まだどこか思い詰めた表情の葵に、俺は眉をしかめながらもそのまま歩く
とにかく・・・蜜華が葵に何か言ったんだと言う事は分かった
そのせいで葵が何か悩んでる事も・・・・・・
『・・・ったく・・・ちょっとは俺を頼れよな・・・』
『え・・・?』
『別に・・・・・・』
俺達は傾き始めた太陽をバックに歩きだす
・・・これから起こる残酷な事件には気付きもしない