戦国桜話


10m位離れた所に立ちすくむ小春ちゃんに駆け寄るため、足を前に出した瞬間―――!




『ちょっと待て!!』




ガシッ!!




佐助に腕を掴まれる




『どうしたの?小春ちゃんが帰ってきたんだよ?』


『分かってるよ!んな事!・・・でも・・・・・・・・・』


佐助の口を濁す様な言い方・・・・・・


何??


私は首を傾げて佐助の言葉を待つ












『何であのガキ・・・・・・殺意、剥き出しなんだ?』












『へ?』




リン・・・・・・




ヒュォォォォ・・・!




『・・・んっ!』


突如吹いた風に、私は堪らず目を閉じた


聞いた事がある鈴の音・・・・・・


この風の感じ・・・・・・


『蜜華!?』


『残念、僕も居るよ』


上から聞こえた声に、勢いよく顔を上げると大きな鳥が羽ばたきながら私達の上空を飛んでいた




あれは・・・・・・ピピ・・・!




そのピピの上に、ニコニコと胡散臭い笑みを浮かべ、こちらに向かって手を振っている雅が居た


『雅・・・っ!』


私は知らず知らずの内に手をきつく握り締める


そんな私を気に止めることも無く、雅は徐に懐から笛を取り出し、口に当てる


竹か何かで作られた横笛・・・・・・


今から何を・・・・・・?













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