戦国桜話
雅が再び笛を口にする
ピュィー・・・
――――――“目覚めなさい”――――――
喋ってないのに頭の中に聞こえてくる雅の声・・・
『うぁ゙・・・!ぁあ゙!』
『小春ちゃん!!』
ドォン!!
大きな音と共に目の前に現れた大きく、醜[みにく]い妖怪・・・・・・
もしかして・・・・・・・・・これが・・・・・・っ!
『嘘だろ・・・っ・・・これが・・・あのガキかよ・・・』
佐助の驚いたような声が耳に響く・・・頭に響く・・・
嫌だ・・・!
何も見たくない!何も聞きたくない!!
私はしゃがんで硬く目を閉じ、耳を塞いだ
ドンッ!!
『キャァ!!』
建物が壊される音・・・村人の悲痛な叫び声・・・・・・
そして・・・・・・・・・
『止めるんだ小春!村が・・・村が壊れてしまう!!』
村長さんの・・・必死に妖怪となった小春ちゃんに訴える声・・・・・・
しかし・・・その声が小春ちゃんに届く事はない
『チッ・・・!このままじゃ・・・村人が危ねぇ!八神と胡蝶は村人を安全な所に誘導しろ!俺は妖怪を止める!!』
『わかったのじゃ!』
『行きましょう!胡蝶!』
八神くん達が向こうへ駆けていく
ガシッ!!
『・・・・・・ッ!!』
突如、腕を引っ張られ立たされた