戦国桜話


『小春ちゃんは・・・今まで育ててくれたおじいちゃんの為に・・・おじいちゃんが安心して村を任せられるような立派な村長になるって言ってた・・・・・・』





あの時の小春ちゃんの強い意志・・・優しい心・・・・・・


全てを鮮明に覚えてる





『そんな小春ちゃんは・・・・・・愚かなんかじゃない!!』


握った拳に再度力を入れるとギチギチと音がなりそうな気がした




許せない!許しちゃいけない!!




怒りが私を支配していく・・・・・・










『・・・ッ熱!』


不意にポケットから熱さを感じ、私はポケットに入っている“モノ”を取り出した




光ってる・・・・・・!




私の手の平の上におかれたペンダントは光を放ち、熱を帯びていた






このペンダントは両親が生まれてくる私の為に、残してくれたモノ・・・


そして・・・おじいちゃんには・・・このペンダントを誰にも見せず、肌身離さず持っているように言われた・・・・・・


何故かは、教えてくれなかったけど・・・


“このペンダントが必要になる時が必ず来る”


ただ・・・それだけ・・・・・・


それだけを、微笑みながら私に言ったおじいちゃんは・・・何だか切なそうにも見えた






私は、記憶の奥を辿り・・・ペンダントをボーッと見つめる


今だに光り輝くペンダント・・・・・・


一体、どうしたの・・・・・・?


『・・・作動したね』











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