戦国桜話


雅達はその言葉を残し、風が止んだ頃には姿を消していた


『・・・チッ、またあいつら妖気を消しやがった』


佐助の言葉が頭の中に入ってこない・・・


いろいろ有り過ぎた今日・・・・・・


頭がついていかない・・・






『佐助!何してるの!!』






鶇夢さんの少し焦った様な声が辺り一帯に響き渡る


『何だよ』


『妖怪が暴れてるのが分からないの!?急がないと村が壊滅する!!』


鶇夢さんの言葉に私は今の現状にやっと気付いた


周りを見回すと潰れて崩壊した家や、パチパチと音をたてながら燃える家・・・・・・




酷い・・・・・・!




『あいつのせいで忘れてた・・・!おい、葵!!』


佐助が私の肩を掴んだ


私はその事にビクッと異常なくらい反応してしまう


佐助が言いたい事は・・・分かってる・・・・・・





“心臓の場所”・・・・・・





教えたら・・・必ず小春ちゃんは倒される・・・


だけど・・・・・・


教えなかったら・・・私達も・・・村も危ない・・・・・・


私・・・・・・どうしたらいいの・・・・・・・・・?






『お・・・姉ちゃ、ん・・・』


不意に・・・聞き覚えのある声が妖怪から聞こえた


『小春ちゃん!?』











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