戦国桜話


『葵・・・・・・』


私の後ろに立っている佐助がそっと私を呼ぶ


私は振り向かず、口を閉ざしたまま耳を澄ました


『・・・お前だって・・・分かってるんだろ?』


ドクンと心臓が大きく波を打つ


『もう・・・あのガキを倒す以外・・・方法が残ってない』


そんなことない・・・


まだ方法は・・・あるはず


頭の中で考えてる事が口から出ないのは・・・きっと・・・自分でも分かってるから・・・・・・




佐助の意見が・・・正しい




『小春ちゃん・・・・・・私は小春ちゃんを倒したくない・・・・・・』


『お姉ちゃん!!』


『でも・・・小春ちゃんの願いが“自身の死”なのならば・・・・・・』


“私はその願いを尊重しようと思う”


私はそう言って手の中にあるペンダントを強く握り締める


そして静かに瞳を閉じた


心臓は・・・・・・・・・


ゆっくりと目を開き、鋭い視線で一点を見つめる


見つけた


『左肩・・・・・・』


私がそう呟くと、佐助は私の頭にポンっと手を乗せて意を決した様に妖怪となった小春ちゃんに向かっていく・・・


小春ちゃん・・・私は・・・小春ちゃんの笑顔を・・・絶対に忘れないよ?


『龍破・波動剣!!』


一筋の光が小春ちゃんの左肩を目掛けて一直線に進んでいく・・・


小春ちゃん・・・さようなら・・・・・・


ドォン!!


小春ちゃんの命は・・・夜の闇に溶けていった











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