戦国桜話







『本当に・・・帰ってしまうのか?』


胡蝶は少し残念そうな顔で私を見上げた


お日様は天高く上がり、私たちを真上から照らしている


春だというのに・・・まだ少し肌寒い・・・


そう思うと、こんな環境の中でも懸命に花を咲かせているこの桜をすごく美しく思う・・・


いや・・・思うんではない・・・実際に美しいのだ


綺麗に晴れた青空の下、満開に咲いているこの桜の花はきっと私の心の中の絶景ベスト3には入るだろう


私はそんな事を思いながら満開の桜の木を見上げ、口を開いた


『最初から・・・あんまり長居するつもりはなかったし・・・早く帰らないとおじいちゃんも心配するしね』


『そうか・・・・・・』


しゅんっと肩を落とす胡蝶の頭を撫でて私は苦笑いを浮かべた


まぁ・・・「帰ったらおばあさんになっちゃった!」みたいな浦島太郎的な展開も有り得る訳で・・・・・・


あ、ダメだ・・・


こんなネガティブ的考えだったら平成に帰る前に心が折れる









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